一般社団法人鳥獣管理技術協会(JWMS)では、農作物被害、生態系被害、生活安全など、人と野生鳥獣の軋轢に関する地域課題の解決を担う鳥獣管理技術を養成するための学習プログラムを開発・提供しています。
鳥獣管理技術者には、野生鳥獣に関する専門的な知識と捕獲や防護、生息地管理に関する専門的な知識や、現場における実践的な対応力が求められます。さらに、鳥獣管理に関連する複数の社会制度の知識に加え、地域社会の成り立ちや当事者に知識を提供したり合意形成を促すためのコミュニケーション能力も必要です。
JWMSでは、鳥獣管理技術者に求められる知識と技術を「動物生態学」「鳥獣管理学」「社会と制度」に分類し、初心者でも段階的体系的に学習できる学習プログラムを提供しています。
JWMSが提供する「鳥獣管理士養成講座」は、宇都宮大学と栃木県が連携して実施した、文部科学省科学技術振興調整費「里山野生鳥獣管理技術者養成プログラム」をもとに開発した学習プログラムです。初心者でも、鳥獣管理にかかわる幅広い分野を体系的、段階的に学ぶことができるようにカリキュラムが組まれています。
これまでに、全国4カ所で講座を提供してきましたが、2020年からは、全国どこからでも受講できるオンライン講座と現地実習による講座に再編成しました。「鳥獣管理士養成講座」は、全国の1000名以上の行政関係者、企業、学生、農家等の皆様に受講いただいています。
鳥獣管理士養成講座を受講することによって、受験資格に必要なCPD単位を効率的に取得することができます。取得したCPD単位に応じて、鳥獣管理士資格認定試験(準1級、2級、3級)の受験資格を得ることができます。所定の講座を修了した方への受講証明の発行等のご要望にも対応いたします。
CPDは、技術者の継続的な教育を目的とした制度で、一般社会において、技術に係わる資格認定団体等によって提供されています。鳥獣管理CPD制度は、鳥獣管理技術者としての「鳥獣管理士」を対象とした教育制度で、この分野では日本で唯一JWMSが開発運用しています。CPD制度には、鳥獣管理士またはこれから鳥獣管理士を目指す方が参加することができます。鳥獣管理の幅広い学習活動に対して、学習時間等をもとにCPD単位が認定されています。CPD単位を取得することで、鳥獣管理に係わる知識・技術・経験を修得するために要した努力量を可視化することができます。さらに、取得したCPD単位は、鳥獣管理士資格認定試験の新規または昇級試験の受験資格としています。